第1回 自筆証書遺言に関する法律改正について

 自筆証書遺言に関して、財産目録については手書きで作成する必要がなくなりました。また、来年(令和2年)7月10日からは、法務局に預けることができるようになります。

 セミナーのレジメを下記の通り掲載しますので、ご活用ください。

 

令和元年8月18日

            <相続・遺言・後見のセミナー>

 

第1回  自筆証書遺言に関する法律改正について

主催:香里園行政書士の会

 

 

1.遺言書はなぜ必要か?

  

     遺言書が無い場合の相続の流れ                                                 遺言書がある場合

 

        本人の死亡                                                                             本人の死亡

                                   ↓                                                                         遺産は一旦相続人間の共有状態となる             遺言書により遺産は

     ↓           

 遺産分割協議      法定相続分による相続(遺産分割協議なし)    相続人に帰属 

                               もめると 

      ↓           

   家庭裁判所での遺産分割調停・審判

 

2.遺言能力

      ・15歳に達した者は、遺言をすることができる。(民法第961条)

      ・遺言者は遺言をする時においてその能力を有しなければならない。(民法第963条)

 

3.普通の方式による遺言の種類・・・・・・自筆証書遺言・公正証書遺言・秘密証書遺言

 

4.相続法改正の概要(遺言制度に関する見直し)

      自筆証書遺言に係る遺言書の保管制度の創設(法務局における遺言書の保管等に関する法律)

 

                                  令和2年7月10日施行

 

改正前           

改正後

作成者

本人

本人。但し、パソコン等で財産目録を作成する場合は、財産目録の代理作成も可。

作成方法

財産目録を含む全文の本人の自書(全文・日付・氏名)押印が必須

 

 *訂正の場合の決まりあり

l  「別紙」として添付する財産目録は自書は不要

l  パソコンで作成した書面や、不動産登記事項証明書・通帳のコピーの添付可

l  上記「別紙」の全ページに本人の署名・押印が必要 

保管

自宅、相続人、士業(弁護士・行政書士)などが預かる

法務局に預けることが可能

 

(法務局に預けた場合)

家庭裁判所の検認

必要   *

不要

手数料

不要

検討中

その他

l  形式に間違いがあれば無効

l  法務局の事務官が形式のみ審査

* 検認・・・・・・・形式がととのっているか、確かにあったという事の確認。効力の証明ではな

5.法務局における遺言書の保管制度について

     ○  遺言者が出頭・申請

     ○  遺言者による閲覧・保管の申請の撤回 (遺言者生存中は本人以外は閲覧不可)

     ○  遺言書保管の有無の照会

     ○  遺言者死亡後、相続人等は遺言書の画像情報取得や原本の閲覧請求が可能

        閲覧させたときは法務局は他の相続人等にその旨を通知することとなる

     

    

   6.公正証書遺言のメリット・デメリット

 

     ○  法定相続分と異なる配分が可能  *

     ○    裁判所による検認(1~1月半かかる)が不要なので早期の相続手続きが可能

     ○  遺言者死亡後、公正証書遺言の存在の有無が全ての相続人に知られる訳ではない

     

     ○  作成に費用がかかる

 

* 遺留分等に配慮が必要なので、専門家のアドバイスを受けられる事をお勧めします。