今回は、遺留分を侵害された者が、その損害額に相当する金銭の請求ができるようになるという法律の改正のセミナーを行いました。
セミナーのレジメを下記に掲載しますので、参照ください。
令和元年12月15日
<相続・遺言・後見のセミナー>
第5回 遺留分制度の見直し
主催 香里園行政書士の会
遺留分制度とは、兄弟姉妹以外の法定相続人が一定の割合の相続財産を確保できるようにした制度であり、いわば遺留分は兄弟姉妹以外の相続人に保証された最低限の相続分といもいえる制度
*遺留分割合
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配偶者 |
直系卑属 |
直系尊属 |
単独相続 |
1/2 |
1/2 |
1/3 |
配偶者と共同相続 |
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1/2 |
1/2 |
*請求権は被相続人の死亡を知ってから1年間、被相続人の死亡から10年の間に行使する必要がある
[旧相続法]
遺留分減殺請求をすると、遺留分を侵害する限度において遺贈・贈与が失効し、その目的物の所有権などは遺留分減殺請求者に戻るが、その結果目的物が共有状態になることがある
(例) 不動産
事業経営における店舗・工場・株式
[改正相続法]
”遺留分減殺請求権”から”遺留分侵害額請求権”に変わった事
今までは”もの”そのものを取り戻す権利だったのが遺留分侵害額に相当す
る”金銭の支払い”を請求できるようになった
☆ 遺留分侵害額請求をされた側がまとまった金銭を有しない場合、請求を受けた側の申し立てに よって裁判所は全部または1部の支払いについて相当の期限を与えることができる
☆ 遺留分侵害額の計算の改正点(相続人への特別受益を贈与財産額に含めるかどうかについて)
[旧相続法]
何十年前の贈与も遺留分算定時の贈与財産額に含めて計算
[改正相続法]
相続開始前から10年間にしたものに限って贈与財産に含める
* 相続人以外になされた贈与は相続開始前から1年間のもの